前回は
彼を知り、己を知れば、
百戦して殆うからず
という孫武の考え方から
相手の情報を知っていれば
試合を最小エネルギーで勝って
次に繋げられる。
ということを書きました。
ここで、彼を知ったとき、
三つに分けることができると思います。
1.相手が自分たちより弱い
2.相手と自分たちの力が拮抗
3.相手が自分たちより強い
今回は
1.相手が自分たちより弱い
ときの戦い方について書いていきます。
相手の情報を集めたとき、
これは絶対負けない
ってときもあると思います。
ほとんどの場合は情報を集めずに
まぁ勝てるしいいか
という気持ちで
試合前は
「相手は弱いけど、
自分たちのバスケをしろよ」
「このぐらいの相手なら
100点とってこい!」
などといって
試合が始まったら
相手のことは御構い無しに
フルボッコで大量得点で終了。
相手もフルボッコにされて
やる気をなくし、可能性を見出せない。
なんてことよくありますよね。
仮に
・自分たちのバスケができなかった
・100点取れなかった
となれば、
あんなチームにあんなバスケしかできない
あんなチームにあの点差とはどういうこと?
などと監督や周りから
言われるかも知れませんね。
しかし、前回書いたことを
思い出していただければわかる通り
いかに最小のエネルギーで勝つか
が大事なのです。
それを考えれば
いかに選手に温存させるか
いかに選手全体にエネルギー循環させるか
いかに相手を負かさないか
ということが大事になってきます。
自分たちのこれまでやってきたバスケを
出そうとすればするほど
エネルギーが必要です。
点を取ろう、点差つけよう
と思えば思うほどエネルギーが必要です。
試合内容や点差を見れば
余裕で勝った
このチームは強い
となりますが、
情報、エネルギー的に見れば
相手にどんなバスケをするか
見せてしまっていますし、
強さもなんとなくわかります。
またその相手を倒すために
エネルギーを大量に使っています。
これでは相手と力が拮抗してた場合
情報量とエネルギー量で
試合前から負けていることになります。
戦う前から不利な状況になる
ということですね。
ではどうするか?
孫子の兵法の中にこんな言葉があります。
・必ず全きを以て天下に争う
意味
相手を痛めつけず、無傷のまま味方に引き入れて、天下に覇をとなえる
という感じです。
彼を知ったとき、
自分の方が強い
とわかったのだから
強さを活かして、
外交や威嚇で
無傷のまま味方に引き入れよう。
ということです。
そうすれば国力はさらに増え、
今は勝てない相手にも勝てる可能性
がでてきますからね。
これをバスケに当てはめるとどうなるか?
試合前に監督に交渉して…
ちょっと強さを強調して威嚇して…
監督さんの許可を得て選手を次の試合に…
できるわけないですね。
大事なのは孫武も言っているように
相手を痛めつけず、無傷のまま
ということです。
相手を痛めつけずというのは
・必要以上に点差をつけない
・自分たちの方が強いからといって
偉そうにしない
・相手の心を折りにいかない
という感じでしょうか。
そうすると負けた相手はどうなるか。
・自分たちのやれることはやれた
→次への成長の糧
・いいチームだった、あんなバスケがしたい
→応援されるチームになる
先程、孫武の相手を味方に引き入れる
という考え方を書きましたが、
応援される
ということは
エネルギーをもらえる
ということです。
目に見えて味方に引き入れてる
わけではないのですが、
エネルギー的に見ると
応援されることで
エネルギーをもらっている
のです。
つまり勝てば勝つほど
エネルギーが高まっていくということです。
まぁエネルギーと言われても
目に見えないので、
なかなかしっくり来ないかもしれませんが、
これが見える、感じれるようになってくると
多大なエネルギーが得られることでしょう。
なんか試合を見てて、
このチームが勝ってもなー
っていうチームとかいますよね。
そのチームはもしかしたら
・敵意むき出し
・相手を負かす
・ゴリゴリバスケ
という感じかもしれませんね。
まぁ僕が挙げた戦い方も
見る人によっては、
・やる気がない
・勝つ気あるのか
学生であれば
・学生らしくない
なんて言われるかもしれませんが、
それは見る人の視点の問題で、
試合をした相手はわかってくれると
思います。
まず学生らしいってなんだ
って感じですが。
結局これも
彼を知り
を行った上なので、お忘れないように。
全ての勝つチームが
こういう意識でやると
バスケット界全体で
いいエネルギー循環
ができると僕は思います。
一つでも多くのチームが
相手を負かさない
という意識で勝っていくことを祈って。
今日はこの辺で。
ありがとうございました。
敵を味方に引き入れる?
10.30
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大事だとは思いますが、必要以上に点差をつけないって難しいですよね。
偶然や流れで一気につめられて、逆転されたりしたら、余計にエネルギーを使うことになりかねないとも思います。
もし負けたら・・・。
点差をコントロールすることはあると思いますし、必要だとは思いますが、それって全力で点差をつけるよりもエネルギー使うことのような気もします。
こころさん、貴重なコメントありがとうございます。
今回こころさんのお考えについて僕なりの考えを記事にさせていただきました。
偶然や流れをどうとらえるか?
また監督としての責任について書いてあります。
お時間あるときにどうぞ。
またご意見お聞かせください ^^