~目次~
序章 坂口慎はどうして「武学」の道に入ったのか?
第1章 坂口、部活やめるってよ。いや、やっぱやるってよ
~打ちのめされた大学時代~
第2章 「慎、バスケならこれでも読んでみたらどうだ?」 ←今ココ
~絶望の淵と恩師N先生の些細な一言~
第3章 修行僧からめでたく変人へ
~心貧しきMAKOTOとメンター原田神の出会い~
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どん底から友人のお陰で
バスケの楽しさを再び知った僕。
このあとどのようにして変人化していくのか。
◆あれ、俺バスケ下手じゃね?
良い仲間にも恵まれ、再びバスケを始めた僕。
あの大会から少しして、今度は県大会。
勝てば勝つほど強い選手とやれることを
楽しみにしていました。
1回戦目はなんなく勝ち進み、
2回戦目の相手は県ベスト4のチーム。
久しぶりのワクワク感でした。
純粋に自分がどれだけやれるのか。
そして試合が始まります。
そう…自分の弱さを知る試合が。
…
あれ、ドライブを簡単に止められた?
あれ、ポストプレイで押せない?
あれ、相手にポストで押される?
あれ…あれ…
「なんだこれ、なにもできないじゃん。」
気付けば試合終了。大敗。
「あれ、俺バスケ下手じゃね?」
単純にこう思いました。
確かに、ポテチとコーラで
引きこもりゲーム生活していたので
筋肉が落ちたのはわかる。
普通であれば
「筋肉落ちてるし当然。筋トレしよ。」
となるところですが、筋肉とか関係なく、
「バスケが下手」だと思ったのです。
筋肉が少し落ちただけで、
こんなになにもできないのかと。
それってどうなのかと。
なんか一気にこれまで自分がやってきたことが
崩れた気がしました。
なんとも言えない虚無感でしたね。
試合の帰り道、車のクリープ現象で
前の車にぶつけそうになって
我に返ったのはいい思い出です。
◆心の師、N先生の提案
バスケが下手だとわかっても
どうすればいいかわかない日々が続きました。
筋トレするのもなにか違う…
スキルトレーニングをするのもなにか違う…
そんなこと考えていたらいつの間にか
引きこもり強面ゲームオタク
に舞い戻っていました。
ここまで読むとかなり「メンタル弱ッ!」
って思われそうですね。
この頃の僕はそれほどまでに
身体と精神が離れた状態でした。
気付けば大学4年生
そろそろ卒論の準備のために
ゼミの教授であるN先生と
話し合う時期が来ました。
体育科だった僕は
とりあえず自分には
バスケしかないからバスケでなにかしようかな~
ぐらいにしか考えていませんでした。
何回か話し合いが進んだころ、
卒論とは関係なくN先生が
「慎、バスケならこれでも読んでみたらどうだ?」
とある本を渡してくれました。
その本は
「ナンバ走り」
という本でした。
内容は
古武術の動き(ナンバ走り、膝抜きなど)
を取り入れて、全国出場を果たした
桐朋高校バスケットボール部の話。
なにも悩みがない人が読めば
「こんなことあるわけない。」
「たまたま選手が良かっただけだろ。」
なんて思うかもしれないですね。
しかし、この本を読んだ僕は違いました。
「こんな世界があるのか…
私の今の悩みを解決してくれるかもしれない。
これはやってみるしかない!!」
本を読み終わった僕は即体育館に行き、
その本で書かれている
「ナンバ走り」を試してみました。
最初は慣れない身体の動きで
逆に窮屈感すらありました。
しかし、本の中でも最初は時間がかかった
と書いてあったので、
特に気にせず一心不乱にやっていました。
一ヶ月後…
「お、なんか前にスイスイ進むぞ…」
試しに普通の走り方をすると…
「なんだこのわき腹の窮屈感…」
僕が初めて感じた
「身体が進化する」
感覚でした。
見た目は特に変わっていない。
でも前より楽に走れるし、疲れがない。
ニヤニヤが止まりませんでした。
(そういえば昔、ニヤケ顔が
アメリカの漫画、アニメに出てくる
グリンチに似てるねって
言われたことあるのを思い出した。)
今なら絶対
「ウォーター!!!!!」
って叫んでます。笑
(ウォーターについては後述)
一度この「進化」を知った僕は
次々に身体に応用していきました。
・シュートフォーム
・DF
・ドライブ
・ポストプレイ
すべてがこれまでと違った身体動作で、
最初は窮屈でしたが、これを乗り越えた先に
「進化」があると経験していたので、
何も恐れることなく、
坦々と階段を上っていきました。
体育館でいつもぶつぶつ言いながら、
しまいには大学内で歩くときさえも意識 。
すれ違う人から見れば、
「前からすごい険しい顔したやつが歩いてくる!」
と思われていたかもしれません。
いや、思われていましたね。
傍から見ればまさに変人。
これが私の変人への第一歩でした。
結局卒論でも
「古武術的身体動作をバスケに応用」
というテーマで研究発表させていただきました。
ほんと今思えばN先生のあの一言がなければ
こうならずに バスケを辞めて、
テニスでフェデラー目指してたと思います。
最初引きこもっていたときは友人の些細なお誘い。
今回はN先生の何気ない提案。
「きっかけはほんの些細な出来事から」
これは私がいつも思うことです。
こうして身体が進化して再びバスケ熱が戻った私。
しかし、
そう簡単に軌道に乗らせてくれないのが人生。
この後僕はスターウォーズのアナキンのように
ダークサイドに落ちていくのでした。
というわけで今日はこの辺で。
次回は、僕のダークサイドからの復活のお話し。
第3章 修行僧からめでたく変人へ
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